総務とは、組織全体のバックオフィス業務を担う部門です。組織内の他部門や従業員と連携を取りながら、多岐にわたる業務が求められます。
多くの企業では総務部門の業務効率化が課題となっています。しかし、業務効率化には何をすればよいのかがわからず、課題解決の実現ができていない企業は少なくないでしょう。
この記事では、総務部門の業務効率化を図る方法を紹介するとともに、課題解決のアイデアや業務改善の注意点についても解説します。
総務部門の抱える課題
多くの業務を引き受ける総務部門では、解決すべき課題もさまざまです。ここでは、総務部門が抱える代表的な課題を解説します。
組織を円滑に運営するためにも、総務部門の抱える課題を正しく把握し、課題解決に取り組みましょう。
業務範囲が広い
総務部門の特徴でもある業務範囲の広さは、大きな課題のひとつでもあります。
社内の備品管理やファイリングだけでなく、電話対応や社内行事の企画・運営など、非常に幅広い仕事を引き受けます。小規模の企業では、総務部門が経理業務や人事採用を行っているケースもあるでしょう。
業務範囲が広いため、業務量も必然的に多くなります。そのため、 スケジュールに遅れが生じたり、担当者の負担が増大したりといった課題が発生しています。
目標に対する成果の達成度や評価が難しい
総務部門が担う業務のほとんどが、企業の利益に直接結びつかないものです。営業のように「昨年よりも売上〇〇%UP」「新規顧客を〇件獲得」といった、定量的な成果目標の設定ができません。
目標に対する成果の達成度や評価が難しいことも、総務部門が抱える課題のひとつといえるでしょう。担当者が「正当な評価がされていない」と感じた結果、仕事に対するモチベーションの低下につながる恐れもあります。
人手不足によりリソースが圧迫されている
総務部門は、会社の間接部門という立ち位置であるため、人員の配置が後回しになりがちです。必要最低限の人材での対応を強いられている企業も多く、リソースが圧迫されてるのが現状です。
近年は業種業態を問わず、人材獲得の激化が進んでいます。総務部門の人材不足は、今後ますます深刻化することが予測されます。
突発的でフローが定まっていない非効率業務の存在
総務部門では、定型化されている通常業務に加え、社員からの依頼や問い合わせなどの突発的な業務が発生することもあります。
突発的に発生する業務の多くは、フローが定まっていません。そのため、業務が属人化し、担当者不在時には業務が停滞する可能性があります。このような非効率業務の存在も、総務部門が解決すべき課題といえるでしょう。
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総務部門の課題解決のアイデア
組織として成長し続けるためには、総務部門が抱える課題解決にも積極的に着手すべきです。では、総務部門の課題を解決するためには、具体的にどのような対策をとればよいのでしょうか。
ここでは、総務部門の課題を解決し、業務効率化を実現するアイデアを紹介します。
業務の棚卸・手順の見える化
業務範囲が広い総務部門では、業務の見える化を行うことが重要です。
まずは、総務部門で行っている業務すべての棚卸しを行い、だれがどのような業務を担当しているかを明確にします。どのように業務をこなしているのか手順も見える化し、部門内で共有しましょう。業務の見える化は、業務効率化の向上だけでなく、属人化の防止にもつながります。
アウトソーシングの活用
すでにリソースが圧迫され、社内での課題解決が難しい場合は、業務の一部を外部に委託するアウトソーシングの活用も有効です。
日常的に発生する定型的な業務をアウトソーシングに委託した場合、社内リソースに余裕が生まれ、重要な仕事に時間を割けるようになります。これまで後回しにしていた、既存業務を見直すことができるでしょう。
業務マニュアルの作成
日常的に繰り返す業務は、一連の流れや関連する情報をまとめたマニュアルを作成しておくことも、業務効率化を図る方法の一つです。
マニュアルに沿って仕事を進めることで、成果の平均化が可能となり、担当者によって業務の品質がバラつくこともなくなるでしょう。業務マニュアルは、新入社員への指導や業務の引き継ぎにも活用でき、時間の有効活用にもつながります。
ITツールの活用
DX化が推進される現代において、総務部門の課題を解決するためには、ITツールの活用が必要不可欠です。
たとえば、これまでアナログな方法で行っていた業務をITツールに代替えすることで、作業工程を大幅に短縮できます。ヒューマンエラーの軽減にもつながり、大幅な業務効率化が期待できます。
ITツールの活用にはさまざまな種類があるため、目的やコストにあったツールを導入しましょう。
RPA(事務作業の自動化ツール)
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック プロセス オートメーション)の略です。
これまで手作業で行っていた業務を、ロボットで自動化することができるシステムです。単純な入力業務やデータチェック業務など、人間の判断を必要としない業務に適しています。業務フローの改善や人材不足解消に有効です。
労務管理ツール
労務管理ツールとは、従業員の勤怠管理や社会保険の管理など、労務管理を効率的に行えるシステムです。
雇用保険や社会保険など、紙ベースで行っていた手続きもシステム上で完了することができるため、管理にかかる手間やコストを大幅に削減できます。
総務部門で労務管理もになっている企業では、積極的に活用したいツールです。
経費精算ツール
経費精算ツールとは、組織内で発生する経費の管理や処理を効率化するシステムです。
経費精算の業務では、申請や承認、領収書の確認などを行います。少人数の企業であれば問題ありませんが、大人数になればなるほど作業は繁雑になり、その他の業務を圧迫しかねません。
経費精算ツールでは、経費の計算や仕分けが自動で行えるので、精算業務にかかる負担を大幅に軽減できます。
文書管理ツール
文書管理ツールとは、電子化した文書をコンピューター上で保管や管理するシステムです。
業務範囲の広い総務部門では、管理する書類や資料も膨大です。適切な管理がなされていなければ、どこに何の書類があるのかわからず、探す労力や時間がかかってしまいます。
文書管理ツールは、必要な時に必要な書類を素早く見つけ出せるため、業務効率化につながります。書類の紛失や改ざんといったセキュリティリスクの軽減も期待できるでしょう。
チャットボット
チャットボットとは、人間的な会話の成立を目指した自動会話プログラムです。
総務部門には、従業員からのさまざまな問い合わせが寄せられます。チャットボットを導入することで、よくある質問や問い合わせなどの一部対応業務を自動化できるため、総務の負担軽減と業務効率化に役立ちます。
チャットボットは24時間365日対応可能なので、就業時間以外でも利用可能です。時間外や担当者不在といったミスマッチも防げるため、問い合わせる側のストレスもなくなるでしょう。
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総務業務を効率化するための方法4つのステップ
総務部門が抱える課題解決をし、業務効率化を目指したいものの、「何から始めたらよいかがわからない」と悩む企業は多いでしょう。
ここでは、総務部門の業務効率化を実現するための具体的な方法を4つ紹介します。
現状分析・課題の明確化
まずは、総務部門が抱えている業務をすべて洗い出し、現状の分析を行いましょう。業務内容だけでなく、作業にかかる時間や発生頻度なども整理することで、より正確な現状分析が行えます。
分析した結果、ルーティーンワークとして毎月欠かさず行ってきた業務が、本来は必要のない無駄な業務であることが判明するかもしれません。このように、現状分析することによって、潜在的な課題が明確化し、解決策が講じやすくなります。
具体的な改善計画の策定
課題が明確となったら、いつから取り組むのか、いつまでに終わらせるのかなど、具体的な改善計画を策定しましょう。
すぐに課題解決へと取り組みたくなりますが、無計画に進めてしまっては改善が中途半端になったり、新たな問題が発生したりなど、失敗につながる恐れがあります。
通常業務を加味しながら、適切なスケジュールを立てることが重要です。改善計画の責任者や担当者、目標なども策定すると、よりスムーズな業務改善が行えるでしょう。
小さな範囲で実行をはじめる
業務効率化のための取り組みが、さらなる負担となってしまっては元も子もありません。大きな範囲の改善に取り組むよりも、すぐに実行できる小さな範囲で改善を実行することも大切です。小さな改善によって達成感を得ることができれば、次の改善へのモチベーションにもつながります。
たとえば、「作業工程を見直して手順を変更する」「重複していた工程を省く」など、無理のない範囲から着手しましょう。
効果測定・見直し
改善計画は、実行して終わりではありません。改善計画を実行した後には、課題のモニタリングを行い、効果の測定をすることも重要です。課題が解決できなかった場合は、要因を追求し、再度改善計画を立て直します。
改善計画を実行する過程で、新たな課題が発覚することもあるでしょう。実行した改善計画を見直し、ブラッシュアップしていくことによって、さらなる業務効率化が目指せるようになります。
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総務の業務改善を行う際の注意点
総務部門の業務効率化に取り組むことで、担当者の負担軽減やモチベーション向上、コスト削減など、さまざまなメリットが得られます。一方、業務改善には気をつけるべき注意点も存在します。メリットだけでなく注意点を正しく理解し、業務効率化の成功につなげましょう。
現場との認識の違い
業務改善を行う際には、経営陣と総務部門の現場とで共通認識を持つことが重要です。
現場の了解を得ることなく、経営陣の独断で業務改善を行った場合、どうなるでしょう。認識の違いにより、反発が生じたり、仕事に対するモチベーションが低下する恐れがあります。
従来のフローを大きく変える業務改善は、現場に大きな負担を与えます。業務改善の目的を周知し、現場の理解を得なければ、業務効率化の実現は難しいでしょう。
ITツール導入だけでは業務効率化は実現しない
総務部門の業務効率化には、ITツールの導入は有効です。しかし、デジタル技術に馴染みのない社員が多い環境では、ITツールが社内で浸透しないケースがあります。
「操作が難しい」「使い方がわからない」などが原因で、ITツールを使いこなせていない企業も少なくありません。
ITツールを活用できるか不安がある場合は、無料トライアルを利用して使用感を確かめたり、研修を実施したりといった事前対策に取り組むことをおすすめします。
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まとめ
組織全体をサポートする総務部門は、業務効率化が大きな課題です。業務改善の方法として、業務の見える化やマニュアル作成などがありますが、便利なITツールを活用することでよりスムーズな業務効率化が目指せるでしょう。
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