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ChatGPTが2022年に公開されてから数年が経過し「ChatGPTを使って業務負荷の軽減に成功している」という声もチラホラと耳にする方もいるのではないでしょうか。

社内ヘルプデスクや問い合わせ対応業務をしている方は、担当業務の効率化にChatGPTを活用できるのかが気になるところでしょう。

本記事では、社内ヘルプデスクや問い合わせ対応でChatGPTを活用する方法について焦点を絞ってお伝えします。(※2024年6月時点)

ChatGPTとは

ChatGPTとは、2022年11月OpenAIによって公開された人工知能チャットボットです。人工知能システムとされる生成AIの一種でもあります。

ChatGPTは、Web上にあるさまざまなテキストデータを学習し、解析しているため、ユーザーの質問に対して人間のような対話形式で回答が得られます。ChatGPTに触れた際、多くの方がその能力の高さを実感したのではないでしょうか。

チャットボットタイプの生成AIは、ChatGPTのほかにも「Google Gemini」「Microsoft Bing AI」などが有名です。

ChatGPTなどの生成AIは、今後ますます、ビジネスシーンで利用が進んでいくと考えられます。

社内ヘルプデスクの課題

多くの企業で共通する社内ヘルプデスクの課題といえば、問い合わせの量が多いことによる業務負荷の高さではないでしょうか。

ヘルプデスクとはいえ、社内のあらゆることに精通しているわけではありません。問い合わせの回答に時間がかかってしまう傾向にあります。回答に時間がかかればかかるほど、ヘルプデスクには未対応の問い合わせがたまっていきがちです。

未対応の問い合わせが増えると、社内ヘルプデスク担当者の心理的な負担が大きくなります。回答を得られていない従業員は、業務が進まないこともあるため、社内ヘルプデスクの業務が滞ることは、全体の生産性の低下を招く一因ともなりかねません。

ChatGPTで効率化できる社内ヘルプデスク・問い合わせ対応の業務

ChatGPTで効率化できる社内ヘルプデスク・問い合わせ対応の具体的な業務について紹介します。社内ヘルプデスクが業務効率を上げることができれば、企業の生産性の向上にもつながります。

問い合わせ内容の分類

社内から寄せられた、さまざまな問い合わせ内容を分類する作業をChatGPTで行えば、簡単に素早くカテゴリー分けができます。

人間が手作業で分類をする場合、依頼主の情報などにも目が行き、時間がかかってしまいがちですが、ChatGPTなら簡単かつスピーディーに進みます。

FAQと回答の作成

ChatGPTを使えば、過去にあったFAQの中から問い合わせの回答に使えそうな候補を教えてもらうことができます。

社内ヘルプデスク担当者が一から考えて回答を導き出すよりも、ChatGPTに回答の候補を挙げてもらえるほうが、FAQ作成にかかる時間と手間を削減することが可能です。

ChatGPTに指示を出せば、よくある質問をリストアップしてもらうこともできます。

問い合わせ対応の自動化

ChatGPTを活用すれば、問い合わせ対応の自動化も可能です。チャットボットに寄せられた従業員からの質問を分析し、あらかじめ学習しておいたFAQや社内の情報を元に回答を自動生成するため、適切な回答ができます。

24時間365日対応可能なため、問い合わせに対して迅速かつ適切な対応が可能です。回答を待つ時間を最小限に抑えることができ、業務の効率化が図れます。

メール返信の定型文の作成

生成AIであるChatGPTは、文章を作成することも得意としています。

ChatGPTに「メール返信の定型文を複数提案してほしい」と依頼すれば、メール返信の定型文を提案してくれます。「上司向け」「同僚向け」など、さらに詳しい条件を指示すれば、より希望に近い定型文が提示されるでしょう。

メール返信自体は、さほど時間のかかる作業ではありません。しかし、返信内容を検討する必要もあるため、返信に時間がかかります。ChatGPTに返信用の定型文を作成すれば、業務時間を削減できます。

タスク整理

ChatGPTは、業務の優先順位を付け、タスクを整理することもできます。

こなすべき業務が多くなればなるほど、どれから手をつければ良いか優先順位を悩みがちです。しかし、優先順位付けに時間をかけていては、肝心な問い合わせ対応が遅れてしまいます。

ChatGPTを活用すれば、客観的に重要度や緊急性を考慮し、タスク整理をしてくれるため、優先順位が高い順番に業務をこなせます。

ヘルプデスクスタッフの教育

社内ヘルプデスク担当のスタッフ教育にも、ChatGPTが一役買ってくれます。

例えば、ChatGPTに従業員の役割を与えることで、問い合わせのやりとりを再現できます。ChatGPTを会話の壁打ち相手とすることで、社内ヘルプスタッフのチャット応対品質は向上するでしょう。クレーマーやカスタマーハラスメントを想定した訓練にも活用できます。

教育・研修の費用を安価に抑えられる点も魅力といえるでしょう。

ユーザーサポートの改善

ChatGPTは、社内ヘルプデスクに寄せられた質問に対して、回答を出すだけではありません。社内ヘルプデスクに寄せられた問い合わせを分析し、問い合わせの傾向などもまとめることができます。傾向に対して、改善策をChatGPTに提案するよう指示することも可能です。

固定観念を持って業務に臨んでいるスタッフでは発想できないような改善策が提案されることもあるでしょう。

社内ヘルプデスクでChatGPTを活用する方法

日ごろの問い合わせ対応業務から業務の見直しまで、まるで秘書のようにChatGPTにさまざまな業務を任せることができます。

ChatGPTを使ってスムーズに業務効率をアップさせるために、準備しておくことをまとめました。

ChatGPTは有料版を選択

社内ヘルプデスクでChatGPTを活用するのであれば、有料版を選択するのがおすすめです。

有料版は、無料版よりも自然で違和感が少ない日常会話を生成できます。ChatGPTがテキスト処理をする際の最小単位「トークン」が、無料版よりも有料版のほうが多いため、存分に活用できるでしょう。

OpenAIが提供するChatGPT有料版「ChatGPT Plus」の月額利用料金は約20ドルです。高機能でありながら、比較的安価で利用できます。

API連携

チャットボットなどを利用して、社内ヘルプデスクの対応を自動化させるためには、ボットにChatGPTを組み込むための「ChatGPT API」を利用する必要があります。

「ChatGPT API」を社内ヘルプデスクと連携することで、業務の自動化と効率化が実現します。ただし、ChatGPTが解決できない問い合わせには、人間が介入しなければなりません。

また、「ChatGPT APIは、利用量に応じて料金が発生する従量課金制です。利用料金が高額にならないよう注意が必要です。

社内の情報をChatGPTに学習させる

ChatGPTには、誤った情報を正しいデータとして扱ってしまうという弱点があります。幻覚の意味を持つ「ハルシネーション」と呼ばれる現象です。有料版の場合であっても、少なからず発生してしまうことを覚えておきましょう。

また、過去のデータを収集し分析するシステムのため、自動で最新情報を取得することはできません。

誤った回答や古い情報が提供されてしまうと、問い合わせをした従業員だけでなく、社内ヘルプデスク担当者も困ってしまいます。

対策として「Llamaindex」というアプリケーションを介し、ChatGPTに社内情報を接続することで弱点を補えます。

Llamaindex

社内ヘルプデスクでChatGPTを活用する際の注意点

ChatGPTを社内ヘルプデスクで活用するための準備が整った後には、セキュリティ対策も抜かりなく行いましょう。

社内ヘルプデスクでChatGPTを活用する際の注意点をまとめます。

プロンプトインジェクション対策

ChatGPTを社内ヘルプデスク業務で活用させるため、多くの情報と接続している状態の場合には「プロンプトインジェクション」への対策も忘れず行いましょう。

プロンプトインジェクションとは、生成AIに誤作動を起こさせるような質問を入力して、大切な情報を抜き取ろうとする行為です。

プロンプトインジェクション対策としては、入力データの安全性を確認させるようにしたり、特定の質問以外は返答させないようにしたりすることです。

セキュリティ対策

生成AI自体のセキュリティレベルを向上させておくことも、生成AIのセキュリティリスクへの対策としては有効です。

生成AIのアップデート情報やモデル情報をキャッチすることを心掛け、最新版を検討することを後回しにせず、常に最新で最良の状態で使用できる環境を用意しましょう。アップデートの内容は、AIの性能に関することだけでなく、セキュリティの脆弱性やバグに対しての修正が行われていることがあるからです。

生成AIは、まだまだ進化途中の技術です。続々と新たな機能が搭載され、改善が行われているものであることを前提とし、情報収集に努めることがセキュリティレベルの向上にもつながるでしょう。

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まとめ

ChatGPTを社内ヘルプデスクで活用することは、十分に可能だということがわかりました。問い合わせ対応だけでなく、担当者の右腕として、FAQのよくある質問や改善まで担うことができます。

いざ、ChatGPTを活用しようと考えても、学習させるための社内の回答データがまとまらない限りは、ChatGPTの導入になかなか踏み込めないのではないでしょうか。

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