グループウェアという言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
組織内におけるコミュニケーションを円滑化するソフトウェアのことで、最近では業務効率化を目的に導入を始めている企業が増えてきています。
多くの企業が注目しているグループウェアについて、詳しくご紹介していきます。

グループウェアとは?

グループウェアとは、組織内でのコミュニケーションを円滑化し、業務効率化を促進するためのソフトウェアです。複数名で業務を進める場合、各担当者間でスケジュールや進捗状況の共有が重要となってきます。しかし、1つの業務に関わる人が多くなればなるほど、情報共有の難易度が上がり、業務が円滑に進まないといった問題が生じます。

組織内での情報共有は主に、メールやカレンダーアプリ、ファイル共有サービスを使用して行われています。これらの機能が1つのソフトウェアの中に集約されたものが、グループウェアです。情報の発信、その情報の確認・共有がグループウェア内で完結するため、担当者間での情報共有の問題点を解決し、業務効率化を促進する役割を果たすことが期待できるでしょう。

グループウェアの主な機能

使用するソフトウェアによって差はありますが、グループウェアには基本的に6つの機能が備わっています。
各機能についてご紹介していきましょう。

1.メール・メッセージ機能

社員同士やクライアントとのメールのやり取りを、グループウェア上で行うことができる機能です。送信先の既読状況の確認や、一定の条件を満たしたメールの自動送信、忘れずに確認したいメールをトップ画面に載せておくなどの便利な機能も充実しています。

2.スケジュール管理機能

グループウェア上でスケジュール管理を行うことのできる機能です。個人の予定だけではなく、チーム内のスケジュール共有も可能なため、スムーズな日程調整につながります。
しかし、この機能は組織内のみに限られるため、社外との日程調整が多い場合はグループウェアとは、別のスケジュール管理専用ツールを使用してもいいでしょう。

3.ファイル共有機能

業務で使用する資料や画像などを共有することができる機能です。世代管理に対応しており、誰が・いつ・どのように更新したかの詳細な履歴が残るため、チーム内の誰でもファイル管理を行うことができます。権限設定も可能なため、セキュリティ対策にもなります。

4.設備管理機能

グループウェア上で施設の予約や、web会議の予定を設定することができる機能です。空き時間を即時に確認できるため、予定が重なる心配もありません。また、スケジュール管理機能とあわせて使用することで、予約完了のスケジュールを自動的に組み込むことができます。

web会議の予定をスケジュールに登録すると、関係者にURLが自動発行されるので、抜けもれのない便利な機能が満載です。

5.コミュニケーション機能

チャットや掲示板を使用し、社員同士のコミュニケーションをとりやすくする機能です。掲示板は、組織全体への情報発信を行う場合に使用します。その発信された情報に対してのやり取りをチャットでリアルタイムに行うことが可能です。チャットはメールよりも気軽に使うことができるでしょう。

また、掲示板やチャットのトーク内容は履歴に残るため、見落としを防いだり、過去の情報を得たい場合も探し出すことが可能になります。

6.ワークフロー機能

グループウェア上で申請・稟議・経費処理を行うことができる機能です。従来より効率的になるだけではなく、ペーパーレス・脱ハンコ化にもつながります。スマートフォン対応のグループウェアであれば、一連の流れを外出先でも行うことができるため、すき間時間の有効活用も可能になるでしょう。

グループウェアの2つの導入形態

グループウェアにはオンプレミス型・クラウド型の2つの導入形態があります。導入形態によって違いや、導入する企業によって向き不向きがあるため、メリットやデメリットを踏まえた上で検討してみるといいでしょう。それぞれ詳しくご紹介していきます。

オンプレミス型

オンプレミス型とは、自社が持つサーバー上にソフトウェアをインストールして利用するタイプのグループウェアです。自社で運用が可能な分、社外へ情報漏洩のリスクが低くなり、目的に応じて細かくカスタマイズできる点がメリットとして挙げられます。しかし、自由度が高い分、導入コストが高く管理面において負担も大きいのが難点です。

オンプロミス型は、自由にカスタマイズをしたい、運用管理面で申し分ない社内リソースの確保が可能な企業に適した導入形態であるといえるでしょう。

クラウド型

クラウド型は、サーバーで提供されているソフトウェアをインターネットを介して利用する導入形態です。ソフトウェアをインストールする必要がなく、運用管理はシステムを提供する側が担ってくれるため、比較的導入コストは抑えられ、企業側の運用管理面の負担も少ないでしょう。しかし、オンプレミス型とは違い、カスタマイズの自由度が低いというデメリットがあります。

クラウド型はコストを抑えることができ、管理面の負担も少ないため、中小企業のような社内リソースが不足しがちな企業での導入に適しているでしょう。

グループウェア導入のポイント・選び方

グループウェアにはたくさんの種類があり、それぞれに特化した機能や特徴があります。
導入を検討する際、どのような点に注目すべきか解説していきます。

導入する目的を明確に

グループウェアに限らず、新たなシステムを導入する際は目的を明確に設定することが重要です。「テレワークでもコミュニケーションを円滑化できる環境を整えたい」「担当者間のタスクやスケジュール管理を効率化したい」など、目的を明確化した上で、自社にあった製品を検討しましょう。

操作性に優れているか

目的に沿ったグループウェアの導入ができたとしても、使い勝手がよくなければ現場に定着せず、反対に情報伝達が停滞する可能性があります。比較的シンプルで誰でも直感的に操作できるグループウェアであれば、社内のコミュニケーションが活発化するでしょう。

既存システムとの連携性

自社で既に導入しているシステムとの相性もチェックしておきましょう。既存システムとの連携がうまくいかない場合、使い勝手が悪くなり、現場への定着が滞る可能性があります。既存システムとの連携だけではなく、新たなシステム導入の可能性も考慮し、グループウェアの拡張性を確認しておくといいでしょう。

組織体制にマッチしているか

グループウェアが自社の組織体制に見合っているのかも重要なポイントです。導入当初は、クラウド型のグループウェアを選択したが、組織規模の拡大によりオンプレミス型へ移行したい場合、柔軟に形態変更が可能かなど、将来を見据えた製品の選択も重要なポイントになるでしょう。

コスト

企業で新たなシステムを導入する際に、一番懸念されるのがコスト面でしょう。オンプレミス型やクラウド型の導入形態によって価格に違いはありますが、利用環境や必要としている機能、セキュリティ面など自社にあったグループウェアの選択が、トータルコストを抑えることにつながります。

試験的にグループウェアを導入し、運用後のイメージを確認することができる無料トライアルを活用してみるのもおすすめです。

代表的なグループウェア

多くのグループウェアがありますが、基本的な機能が備わっており操作性に優れているもの、基本的な機能に加え特徴的な機能があるものなど種類はさまざまです。
こちらでは代表的なグループウェアについてご紹介します。

Google Workspace

Google社が手がけるグループウェアです。Googleが提供するサービスが使用でき、メールやスケジュール管理、ファイル共有から資料作成までグループウェアに求められる機能が網羅されています。馴染みのあるツールが多いため使いやすさに優れており、業界大手企業のため、セキュリティ対策も万全です。ワークフロー機能は搭載されていませんが、外部のシステムを使用することで補填することができます。

料金は、4つのプランで構成されており、ビジネススタンダードプランの場合、月額1,360円/IDとなっています。どのプランも無料試用が可能です。(※2023年11月時点)

Microsoft 365

Microsoftが提供するグループウェアで、多くの企業で使用しているWordやExcelをはじめとしたグループウェアに求められるほぼ全ての機能が網羅されたソフトウェアです。一般法人向けのプランは最も安価なものからベーシック、スタンダード、プレミアムと3種類から選択でき、月額540円のベーシックプランでも最大300人までのチャットや通話、ビデオ会議、1人1TBのクラウドストレージを利用することができます。多くの法人で使用されているOfficeのアプリケーションで構成されているため、スムーズな導入が期待できるでしょう。

Microsoft 365も1ヶ月の無料トライアルを利用し、試用後の検討が可能です。(※2023年11月時点)

サイボウズ Groon

中〜大規模組織におすすめの国産グループウェアです。スケジュールやファイル共有など基本的なグループウェアの機能はもちろんのこと、PCだけでなくスマホやタブレットにも対応しています。自由にディスカッションが可能な「スペース機能」もあり、企業の組織構造にフィットするきめ細やかな機能が多く揃っています。

料金は、月額845円/IDで、300ユーザー以下の場合は、初期費用なしで利用可能です。30日間の無料トライアルも用意されています。(※2023年11月時点)

desknet’s NEO

470万人が利用するグループウェアで、官公庁や一般企業まで幅広い業界で利用されています。基本的なグループウェアの機能に加えて「仮払精算」や「労務管理」「備品管理」など、日本企業のビジネス課題に対応した多くのアプリが搭載されています。ツールの活用方法のオンラインセミナーや、スタッフによる導入サポートなども充実しているため、導入が初めての企業でも安心です。

料金は、月額400円/IDで、クラウド版基本プランの場合初期費用はかかりません。無料トライアルも利用可能です。(※2023年11月時点)

Lark

ビジネスに必要不可欠な機能はもちろん、チャット機能を主としたコミュニケーションを強みとするグループウェアです。最大500名まで同時参加できるテレビ電話会議も特徴で、日本語、英語、中国語の3ヶ国語をリアルタイムに翻訳して字幕表示できる機能も備わっています。また、録画された会議の内容は自動的に文字起こしされるため、議事録として残したい場合に便利です。

料金は、プロプランの場合、月額1,420円/IDです。無料のプランも用意されています。(※2023年11月時点)

Aipo

スケジュール管理に特化したグループウェアです。基本的な機能に加え、必要な機能を1つからでも購入できるため、導入を少しずつ進めたい企業におすすめです。

社員の予定や設備の予約状況を1つの画面から確認できます。日程調整もURLを送信し、相手に候補日を選択してもらうだけのシンプルで使いやすい設計です。セキュリティ体制も万全で、大企業や官公庁でも安心して利用できる水準を満たしています。

料金は、ベーシックプランで月額450円/IDで、初期費用はかかりません。無料でお試しができるサービスもあります。(※2023年11月時点)

無料で使えるグループウェア

基本的な機能に加え、自由度が高いものやカスタマーサポートが充実しているものなど、多くの機能を搭載しつつ、無料で使えるグループウェアもあります。無料で使用できるグループウェアについてご紹介します。(※2023年11月時点)

LINE WORKS

元々有料で提供されていたLINE WORKSですが、中小企業向けにグループウェアを効果検証する目的として無料での提供が開始されました。LINEの主な機能であるチャット機能はもちろんのこと、カレンダー機能やアンケート機能など、無料でありながらコミュニケーション機能は充実しています。専門のスタッフが24時間365日モニタリングしているため、セキュリティ対策も万全です。

スマートフォン1つでできますが、制限が多いのであくまでお試しの気持ちで検討するのがおすすめです。

GroupSession

無料かつユーザー数が無制限でありながら、基本的な機能を備えているグループウェアです。自社でのインストールやセットアップが必要なため、担当者にはPCの知識がある程度求められますが、公式サイトには分かりやすいインストールガイドが用意されているため不明点がある場合でも安心でしょう。

システムの実用性をより高める有償オプションも用意されているため、利用状況や体制に合わせて利用してみるのもいいでしょう。

シラサギ

数千人規模の組織に対応可能な無料のオープンソースグループウェアで、情報共有やコミュニケーションに必要な機能が備わっています。シラサギは、webアプリケーションのプラットフォームでもあるため、基本機能の利便性を上げるためにカスタマイズすることや、追加機能の開発も可能です。有料で講習会やサポートサービス、業務代行サービスも提供しているため、導入開始時にも丁寧なサポートが受けられるでしょう。

まとめ

チームを組んで進めていくプロジェクトに関して、業務を円滑化するためにはコミュニケーションの活発化が重要です。まずは自社の課題や導入の目的を明確にし、どのような特徴を持ったグループウェアを導入するのか検討してみましょう。
検討していく中で、グループウェアで共有していきたい情報が、商品のマスタ情報、画像情報やファイルなどである場合には、目的に合わせて商品情報管理(PIM)やデジタルアセット管理(DAM)のシステムも検討してみてください。
商品のマスタ情報や画像、ファイルなどを一元的に管理し、履歴なども併せて管理することで、商品情報に関わる複数の部署間の業務を効率化することが可能です。

『PlaPi』は商品情報管理やデジタルアセット管理に利用できるクラウドサービスです。カスタマイズ性・操作性が高く、システム慣れしていない人でも、自社にピッタリ合ったカテゴリやデータ項目を作成して、導入から最短数日で、すぐにシステムを使い始めていくことができます。
グループウェアがなかなか自社に合わないといった場合、まず現状の課題や共有する目的を整理してみることをおすすめします。

商品の情報共有やファイルの共有がうまくいっていないという課題をお持ちであれば、自社サービスの情報管理をよりカンタン・スムーズに行うために、『PlaPi』の導入をぜひご検討ください。

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