今後直面するであろう少子高齢化による労働人口の不足や「2025年の崖」に対応するべく、企業は積極的にデジタル技術を活用したDX推進に取り組まなければなりません。DX時代の波に乗り遅れないようにするためには、一体どのように取り組むべきなのでしょうか。

この記事では、DX時代の概要、日本企業のDX推進状況や課題、取り組むべきことや実際の事例について解説しています。ぜひ、参考にしてください。

DX時代とは?

経済産業省は日本国内企業のDXへの取り組みを推進するべく、2018年に「DXレポート」を取りまとめました。レポートの中で、既存システムの刷新を行わないことで多大な経済損失が生じてしまう可能性があることが指摘されています。DXレポートが発表されたことにより、日本企業のデジタル技術の積極的な導入が進められるようになったのです。

DX時代に明確な定義は定められていませんが、DX推進に対する取り組みに注目が集まるようになった2018年以降を指すことが多いでしょう。

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ビッグデータやAIやIoTなどのデジタル技術を活用し、業務効率化や企業のビジネスモデルの変革を行うことを意味します。

企業にとって新しい価値を創り出すために取り組むためのものであり、常に変化を続ける経済市場で競争力を維持するためにDXは非常に重要な役割を果たすでしょう。

DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックとは

経済産業省と総務省は2020年に「企業のプライバシーガバナンスモデル検討会」を開き、企業がプライバシーガバナンス構築のために取り組むべき事項に関して取りまとめた「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」を公表しました。

各企業のデジタル化が加速している昨今の経済状況の中で、パーソナルデータ活用におけるプライバシー確保はより重要になってきており、企業はこれまでにも増してプライバシーガバナンスの構築が求められています。

プライバシーガバナンスとは、パーソナルデータの適切なリスク管理と信頼の確保による企業価値向上を目的に、企業のトップがプライバシー問題に積極的に取り組むための体制を構築することです。

このガイドブックは事例の追加や個人情報保護法改正に伴う改訂を繰り返し行っており、2023年 4月にはガイドブック記載の概念の整理や諸外国の法令等の情報収集法の追加等を行なった改訂版「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.3」を公表しています。

DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.3

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DXが必要となった理由・背景

「2025年の崖」をはじめとし、DXが必要とされるようになった理由にはさまざまなものが挙げられます。DXが必要となった理由や背景について、詳しく解説します。

2025年の崖

「2025年の崖」とは、経済産業省が「DXレポート」内で公表した問題のことです。日本企業がデジタル技術を活用するなど、DX推進に取り組まなかった場合に、2025年以降の経済損失が社会全体で最大12兆円にのぼるとの試算を発表し、警鐘を鳴らしています。

日本企業が抱える問題として、ITシステムが老朽化しブラックボックス化していることや、IT人材が不足していることが挙げられます。社内の既存システムを刷新し、適切なシステム運用を行うことが重要になるのです。

デジタル技術を活用したデータの有効活用を行うことで、日々変化する市場変化にも柔軟に対応することができ、市場競争力の向上にも繋がっていくでしょう。

D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

ビジネスの多様化

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症のまん延により、企業はテレワークなどの在宅勤務を推奨する動きが強まりました。

オンラインシステムを使用した商談を実施するなど、従来のような対面でのコミュニケーションは減少し、ビジネスが多様化したことで企業のDXに対する必要性が増してきたことも理由として挙げられるでしょう。

既存システムの老朽化

企業で使用しているシステムやパソコンなどのハードウェアは、長年使用することで当然ながら少しづつ劣化していくのは事実です。社員が独自にカスタマイズすることで複雑化したり、ブラックボックス化してしまう問題も生じるでしょう。

既存システムの刷新を行うだけではなく、自社に適したIT人材の配置など、計画的なDX推進に取り組む必要があります。

消費者マインドの変化

消費者マインドは「モノ」を消費する傾向から、実際の体験で経験を得る「コト」を消費する傾向へと変化してきています。企業は、変化し続ける消費者マインドの傾向を把握し、事業を進めていかなければなりません。

デジタル技術を積極的に活用したオンライン上のデータ解析や、顧客へのアプローチなどを行っていくことが重要になるでしょう。

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日本企業におけるDXの推進状況

PwC Japanグループと三菱総合研究所は、日本企業におけるDXの推進状況について実態調査を行いました。どちらの企業が行った調査でも、10億円以上など一定の売上高を超えた企業を対象とし、回答を得ています。

PwC Japanグループの調査では、約7割の企業がDXの取り組みに関して成果を獲得しており、成果を実感している企業ほど全社的なDXに取り組んでいる期間が長いことがわかりました。

三菱総合研究所の調査では、デジタルによる業務改善に留まる企業とビジネス変革段階に至る企業に分け、DXの取り組み状況や成功要因などを調査しました。どの調査においても、ビジネス変革段階に至る企業が半数近い数字を獲得しており、計画的なDXの取り組みが行なわれていることがわかっています。

日本企業のDX推進実態調査2023~未来を創る全社DXへの挑戦~ | PwC Japanグループ

日本企業のDX推進状況調査結果【2023年度版】を公表DXの突破口 3つの課題と処方箋を提言 | 三菱総合研究所(MRI)

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DX時代における日本企業の課題

総務省は、「令和4年版情報通信白書 情報通信白書のポイント」の中で、日本企業を含めた社会全体の課題について解説しています。

今後の傾向としては、少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少や地域経済・産業の担い手不足が予想されているほか、大雨や地震による自然災害の頻発化や激甚化といった懸念もあるようです。

また、社会インフラの老朽化や電力消費量の増加による地球温暖化への不安も高まっており、これらの課題を解決するために社会全体でさまざまな取り組みが必要とされているのが現状です。

労働生産性の向上や地域の活性化、災害時の迅速な情報伝達などの役割をICTが担い、社会に多様な変化をもたらすことが期待されています。DX推進を行い日本企業の課題を解決していくことで、社会全体の変革を進めていくことが可能になるのです。

令和4年版情報通信白書 情報通信白書のポイント

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DX時代において企業が取り組むべきこと

DX時代において企業が取り組むべきことには、自社の現状を把握することや目的の明確化、業務の見直しなどのほか、DX推進をスムーズに進めていくためにDX人材の採用や育成が欠かせません。それぞれの取り組みについて詳しく解説します。

自社の現状の把握

まずはじめにするべきことは、自社の現状を把握することです。担当業務や流れ、使用しているシステムの洗い出しを行っていきましょう。自分が担当している業務をエクセルなどを用いてリストアップしていく方法もおすすめです。

属人化している業務がないかどうかも確認し、全社員がよりよい就業環境で働けるよう努めていくことも重要になります。

DXの目的を明確にする

次に、自社がDXを行う目的を明確にしていきましょう。現状把握を行った上で、自社が改善すべき課題をピックアップし、課題に沿った目的を考えなければなりません。

自社が抱える課題以外にも、DXを行うことで自社にどのような変革をもたらしたいのかなど、さまざまな視野を持って目的を設定していくことが重要です。

目的にあわせたシステムや業務の見直し

目的を明確にした後は、既存システムや業務の見直し、必要性の有無を精査していきましょう。精査していく上で、不要なシステムや無駄な業務があるかもしれません。

自社の目的に沿わないシステムをそのまま使用し続けることや、不要な業務をデジタル化することはコストの無駄が生じる可能性が高まります。無駄なシステムや業務は廃止していく方向で進めていきましょう。

DXに向けた施策と優先順位の策定

次に、DXに向けた施策を策定し、それぞれの施策に優先順位を付けていきます。優先度の高いものから、適切なシステムの導入の検討や業務の流れを改善していく方法について、戦略を具体的に立案していきましょう。

優先度は他の業務と比較して時間を要しているものや、老朽化が進行しているシステムから順に設定することで戦略の立案が容易になります。

DX人材の採用・育成

デジタル技術を導入するだけではなく、システムに精通する人材がいなければDXの推進はスムーズに運びません。DX推進における業務効率化や業績向上のためにも、人材の採用や育成は重要になるでしょう。

社内に適任者がいなければ、新たな人材の採用を検討したり、外部からの講師によるセミナーを通した人材育成などを行うことが必要です。採用や育成が難しい場合には、外部のDXコンサルティングを利用するのも手でしょう。

経済産業省の「DXレポート2」においても、DXのために必要な長期的な対応としてDX人材の確保が挙げられています。企業が起こすべきアクションとして、多様な人材が参画する時代を見据えたジョブ型人事制度の導入を検討することや、DXにおける変革を主導する人材を企業内に確保することが求められているのです。

DXレポート2 中間取りまとめ

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日本のDXの事例

日本でも既にDXに取り組んでいる企業は数多くあります。その中でも製造業や教育業、サービス業などの業種を問わず、成功を収めている企業も少なくはありません。

これまで手作業で行っていた繰り返しの作業をRPAなどを駆使し自動化したり、工場の検品作業などにAIを導入し、生産性向上に繋がったという事例もあります。

また、具体的な例では、AIを活用した自社独自のアプリ開発や映像サービスのシステム構築、キャッシュレス決済サービスを開発するなど、自社の課題に沿ったデジタル技術を導入しDXに成功した事例もあり、日本企業には参考にすべき取り組みが数多くあることがわかるでしょう。

下記の記事では、日本企業のDX成功事例が業種別に数多く紹介されています。ぜひ、参考にしてください。

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【DX事例20選】代表例から業種別に事例をまとめて紹介

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まとめ

社会全体でデジタル化が進んでいる昨今、DX時代の波に乗り遅れないよう日本企業もさまざまな取り組みを行なわなければならない状況下にあります。日本企業のDX成功事例を参考にしつつ、自社の現状把握から行ってみてはいかがでしょうか。

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