近年DX化に取り組む企業が増え、DX認定制度が注目されています。

DX認定制度は、DX化を進める企業を国が認定する制度です。公的支援の措置を受けられたり、自社のアピールに活用できたりするため、DX化に取り組む企業はぜひ知っておきたい制度だと言えるでしょう。

今回はDX認定制度について詳しく解説し、メリットや取得方法を紹介いたします。

DX認定制度とは

DX認定制度とは、企業のDX化への取り組みを国が認定する制度です。「デジタルガバナンス・コード2.0」に対応しています。

事業者がDX認定を受けると、企業のDX化への取り組みレベルが「DX-Ready」であることが認められます。すなわち「デジタル技術をもちいて自社のビジネスを変革する準備ができている状態」であることが認定されるのです。

DX認定は自社のアピールに活用できるので、企業イメージの向上や人材確保といった場面でもメリットを得られます。また、DX認定を取得することで利用できるようになる公的支援の措置もあるので、ぜひ取得を目指したい認定です。

DX認定制度のご案内(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)

デジタルガバナンス・コード2.0とは

経済産業省が策定した「デジタルガバナンス・コード2.0」とは、社会がデジタル技術によって変革していく中で、経営者が求められる対応を取りまとめたものです。社内のDX化を進めるにあたって指針となる資料だと言えるでしょう。

2020年に策定された「デジタルガバナンス・コード」を時勢の変化に合わせて改訂したもので、DX認定に関するところでは、デジタル人材の育成や確保が認定基準に追加されています。人材育成や確保は、経営戦略や人材戦略を連動させた上で重要であるということも明記されました。

DX認定制度の申請時に記入する項目は、デジタルガバナンス・コード2.0に対応しています。デジタルガバナンス・コード2.0の「基本的事項」 とされている部分について確認されるので、理解して対策を立てましょう。

デジタルガバナンス・コード2.0
DX認定制度 申請要項(申請のガイダンス)

DX認定制度の背景

DX認定制度の背景には、「2025年の崖」と呼ばれる問題があります。現在日本企業で使われているシステムはサイロ化やブラックボックス化が進んで、データの有効活用ができない場合がほとんどです。

既存システムを使い続けてDX化を進められないままだと、2025年以降の経済損失は、年間に最大で12兆円になると危惧されています。(「DX 推進指標 自己診断結果 分析レポート(2019年版)」P1より)「2025年の崖」を回避するためには、企業全体でDX推進に取り組んでいく必要があるのです。

DX化の進み具合を自己診断できるツールとして、経済産業省は「DX推進指標」を制定しましたが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が結果を分析したレポートを見ると、DX推進の浸透は難航していることが伺えます。

また、同レポートはDX推進の取り組みについて、短期的な実行だけでなく定着させることが大切であるとしています。取り組みの効果が持続しているかを定期的に確認するために、DX推進指標を用いて自己評価をしてほしいと促しているのです。

DX認定制度では、DX推進指標の自己診断結果を添付資料として活用できるようになっています。DX認定制度を設けた背景としては、企業のDX推進への意欲を高めるとともに、定期的な自己診断で取り組みの定着を促したいという狙いもあると考えられるでしょう。

DX 推進指標 自己診断結果 分析レポート(2019年版)

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DX認定制度の4つのレベル

DX認定制度は4つのレベルがあり、「DX-Readyレベル」以上のレベルに認定されることで、DX認定を受けることができます。各レベルについて詳しく解説します。

DX-Ready以前レベル

DX推進の準備に取り組めていない企業は、DX認定は受けられず「DX-Ready以前レベル」に分類されます。まずはDX推進指標を活用してDX化の進捗を自己診断し、体制整備を行っていくことが必要です。

DX-Readyレベル

DX推進の準備が整ったと評価されると、DX認定である「DX-Readyレベル」の認定を受けることができます。DX推進を行うための戦略や体制が整備され、ビジョン策定や関係者への情報開示が行えている状態です。

DX-Emergingレベル

DX認定をクリアした事業者のうち、関係者への情報開示を積極的に行っていると判断され、将来性が評価されると「DX-Emergingレベル」になります。

DX-Excellentレベル

DX認定をクリアした事業者のうち情報開示や将来性の評価が優れ、さらにデジタル技術を既に取り入れて活用実績が現れている事業者は、「DX-Excellentレベル」になります。

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DX認定を取得する4つのメリット

DX認定の取得は税制措置や企業価値の向上といった面で大きなメリットにつながります。また、DX認定を受けるプロセスは課題整理にもなるため、社内のDX推進に役立つでしょう。DX認定を取得するメリットを4つ紹介します。

DX投資促進税制が活用できる

DX認定を取得するとDX投資促進税制が活用できるようになります。DX化を進めるとデジタル技術や設備の導入に費用がかかるので、負担を軽減できれば大きなメリットになるはずです。DX認定に取り組む際には忘れずに確認しておきましょう。

・DX投資促進税制とは

DX投資促進税制とは、設備への投資などを対象とした税制措置です。制度の内容に合ったデジタル関連の投資に関して、5%か3%の税額控除、または資産の取得価額の30%の特別償却の措置が受けられます。

Question(DX投資促進税制)

DX推進上の課題を整理できる

DXを推進する上で、自社の課題となる点を整理する機会になるというのも、DX認定取得のメリットです。DX認定を受けるためには、DX化を進める明確なビジョンを策定し、DX推進指標などを使った自己診断を行うなどのプロセスを踏まなくてはなりません。そのためDX認定取得に取り組むことは、企業の現状を確認し、DX推進上の課題を整理することにつながるのです。

企業価値・ブランドイメージの向上

DX認定は企業価値やブランドイメージの向上にも役立ちます。DX認定事業者はIPAのホームページに一覧で掲載されるので、DX推進の取り組みに熱心な企業であるとしてイメージアップが図れるでしょう。また自社のWebサイトや名刺にも、DX認定のロゴマークを使うことが許可されます。

DX銘柄の応募資格

DX認定の取得はDX銘柄の応募資格を得ることにもつながります。DX銘柄はDX認定に申請した東証上場企業から選定されるもので、「DX-Emergingレベル」「DX-Excellentレベル」の中で特に優れたデジタル活用の実績がある企業が選ばれます。

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DX認定を取得するためには

DX認定を取得するには、申請の手順を踏まなければなりません。DX認定を取得するために必要な要件や申請手続の方法を解説します。

DX認定制度の申請要件

DX認定の対象者はすべての事業者であるため、法人だけでなく個人事業者でも申請できます。DX認定の申請は無料で行えて、認定を維持する費用もかかりません。

申請期間は通年受付が行われているため、いつでも申請できます。受理された後、結果が戻ってくるまでには約3ヵ月かかります。

DX認定を受けた後の有効期間は、適用日から2年です。期限の60日前までに認定更新の申請をして審査に通れば、引き続きDX認定を維持する事が可能です。

DX認定制度の申請手続の方法

まずは、申請要項に従って必要な準備や手順を確認しましょう。経営ビジョンやDX戦略の策定を行うことはもちろんですが、取締役会などの機関に承認を取って公表するといったことも評価されるので、漏れなく準備を進めましょう。

準備が整えば、認定申請書と申請チェックシートを作成します。必要書類については後ほど詳しく説明します。

書類の作成ができたらDX推進ポータルサイトから申請を行いましょう。ログインするためにはgBizIDが必要なので持っていない場合は取得します。

必要書類をアップロードして申請すると、審査が行われます。DX認定が認められれば認定通知のメールが届き、IPAサイトの「認定事業者一覧」に掲載されます。

DX認定制度の必要書類

DX認定制度に必要な書類は「DX認定制度 認定申請書」と「申請チェックシート」で、IPAのサイトからダウンロードできます。

「DX認定制度 認定申請書」では8つの項目に記入が必要です。経営ビジョンとDX戦略に加えて、KPIや情報発信、情報処理システムの課題把握 、サイバーセキュリティ対策についても回答する必要があるので、準備しておきましょう。

「申請チェックシート」は、申請書を補足する資料です。より具体的な内容が尋ねられるので、詳しく説明した回答を記入します。

また場合によっては、DX戦略に関した補足資料や課題把握のための証跡資料も添付できるので、確認しておきましょう。

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まとめ

DX認定を取得すると税制措置やブランドイメージの向上など、多くのメリットが得られます。課題整理にもつながり、社内のDX化を大きく進める手助けになるでしょう。ぜひDX認定の取得に取り組んでみてください。

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