DAMは、デジタルコンテンツの効率的な管理と活用を実現するためのシステムです。本記事では、DAMの概要や導入によるメリットやデメリットなどについて詳しく解説します。

DAM(デジタルアセットマネジメント)とは

DAMは、デジタルアセットマネジメント(Digital Asset Management)の頭文字をとった用語であり、デジタル資産を一元管理することを指しています。

デジタル資産とは、電子的な形式で存在する情報やコンテンツのことで、具体的には、デジタル画像、動画、音声ファイル、ドキュメントなどです。

DAMとクラウドストレージとの違い

DAMとクラウドストレージは、どちらもデジタルコンテンツの管理や保存に関連していますが、以下のような違いがあります。

メタデータを使用してアセットを分類、整理し、効果的な検索と共有をサポートするのがDAMです。一方、クラウドストレージは、主にファイルを保存し、フォルダやタグを使用して整理する機能を提供しますが、高度なメタデータの管理は制限されています。

また、両者は適しているデータ共有の規模と期間も異なります。クラウドストレージは、限られたユーザー間での短期間のデータ共有に適している一方、DAMではより大きな組織でのデータ活用のサポートが可能です。

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DAMが必要となった理由・背景

次に、DAMが必要となった理由や背景についてみていきましょう。

利用コンテンツの増加

デジタル時代の到来により、企業や組織は利用するコンテンツが増加しました。多様なプラットフォームでの情報発信が求められるなかで、DAMは大量のデジタルアセットを整理・分類し、メタデータやタグを活用して検索やフィルタリングを容易にします。

コンプライアンス重視の傾向

個人情報保護や知的財産権の遵守など、企業や組織はコンプライアンスに対する意識を高め、データの管理とセキュリティを重視する必要が生じました。

法的な規制や業界の基準に合致するためのセキュリティ対策やアクセス制御の仕組みをDAMに組み込むことで、データの保護と機密情報の管理がより確実になります。

脱サイロ化

従来、各部門やチームがデータを個別に管理することが多く、情報がサイロ化される傾向がありました。データのサイロ化は情報の共有や効果的な活用を妨げるものです。DAMを導入することで、情報を統合し、組織全体でのデータ活用を促進する動きが広まっています。

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DAMの主な機能

続いて、DAMの主な機能についてご紹介します。

デジタル資産の一元管理

DAMはデジタル資産を統合的に管理し、検索、整理、保管、バージョン管理などの作業を効率化します。複数のストレージや場所に散在しているデジタル資産を1つのシステムで管理することで、資産の見つけやすさや可視性を向上させることが可能です。

メタ情報の付与

DAMでは、データの属性や特徴を表す情報であるメタ情報をデジタル資産に付与することができます。このことにより、デジタル資産を詳細に説明し、検索やフィルタリングの精度を高めることが可能です。また、メタ情報には著作権情報や利用制限なども含めることができ、デジタル資産の管理と保護に役立ちます。

ファイルサイズの自動変換

異なるデバイスやプラットフォームで利用するために、デジタルファイルのサイズを適切に変換することができます。これにより、効率的なデジタルアセット管理と最適なコンテンツ提供が実現され、ユーザーエクスペリエンスや作業効率の向上が期待できるでしょう。

著作権管理(DRM)

DAMには著作権管理(Digital Rights Management)の機能もあります。著作権管理は、デジタル資産の利用や配布に関する権利や制限を管理する仕組みです。DAMでは、著作権情報やライセンス情報を管理し、デジタル資産の使用条件やアクセス権限を制御することができます。これにより、適切な権限を持つユーザーだけがデジタル資産を利用できるようにし、権利侵害や不正利用を防止します。

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DAMのメリット

DAMを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

業務プロセス改善

デジタルアセットの一元管理によって、情報の探索や共有が容易になります。これにより、データの検索や利用確認などにかかる時間と労力を最小限に抑えることが可能です。また、格納先や必要な情報の項目を事前に設定することができるため、データの登録と運用をスムーズに行うことができます。

コンテンツの流用性と品質の向上

DAM環境が整っていれば、データの検索と利用が容易になります。その結果、同じリソースを活用してアウトプットを増やすことができ、コストを削減しながらコンテンツ制作や利益創出ができるでしょう。また、過去のデータ共有によって知識を獲得し、コンテンツを改善していくことで、コンテンツの品質向上も期待できます。

コンプライアンス向上と利用促進

DAMにより、法的な規制やセキュリティ要件に適合したデジタルアセットの管理が行われるため、コンプライアンスリスクが軽減されます。また、アクセス制限や利用許可の管理により、適切なユーザーによるデータ利用が促進されるでしょう。

ブランド統一

DAMを活用することで企業のCIやVIに適合したアイテムを共有し、各部門で登録されたコンテンツを確認することが可能です。そのため、組織全体で一貫性のあるデザインやブランド表現をすることができるでしょう。

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DAMのデメリット

次に、DAMの主なデメリットを3つご紹介します。

登録作業にかかる手間

DAMの適切な運用には、デジタルアセットの登録作業が必要です。登録にはメタデータの付与やファイルの整理など、手間と時間のかかる作業が欠かせません。これにより、スタッフや管理者の業務負担が増加する可能性があるでしょう。

他のシステムとの連携や移行に伴う複雑さ

既存のシステムやプラットフォームからDAMへのデータの移行や統合を行う場合、データの整合性やフォーマットの変換など、複雑な作業が必要になることがあります。さらに、他のシステムとの連携やデータの相互利用をスムーズに行うために、DAMとの統合や調整が必要となる場合もあるでしょう。

アンバサダー的な管理者と利用目的の明確化の必要性

DAMの運用には、アンバサダー的な管理者の存在が重要です。管理者は、DAMの使い方やメリットを周知し、他のユーザーに対して啓発やサポートを行う役割を果たします。また、DAMの利用目的を明確に定義し、組織内での共有や浸透を図る必要があります。

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DAMを必要とする職種例

DAMの導入は、デジタル資産を活用する職種全般において必要不可欠です。以下では、DAM導入によって特に大きなメリットが期待される職種例をご紹介します。

クリエイター

DAMはクリエイターにとって重要なツールです。グラフィックデザイナーや映像制作者などのクリエイティブな職種では、大量のデジタルアセットを管理し、効率的にアクセスできる必要があります。DAMを活用することで、クリエイターは作業効率を向上させ、素材の再利用やバージョン管理を容易に行うことができるでしょう。

マーケター

マーケターもDAMの活用が求められる職種の1つです。マーケティング活動では、広告素材やブランドロゴ、プレゼンテーション資料などのデジタルアセットを頻繁に使用します。DAMを利用することで、マーケターは効果的なコンテンツ管理を行い、リアルタイムで必要な資料や素材を共有できるでしょう。

代理店

代理店は複数のクライアントに対してコンテンツ制作や広告キャンペーンを行うため、大量のデジタルアセットを効果的に管理する必要があります。DAMを使用することで、代理店はクライアントの要求に応じた素材の提供やバージョン管理を容易に行い、スムーズなコミュニケーションとプロジェクトの進行管理を実現できるでしょう。

IT担当者

IT担当者は、マーケティングテクノロジーを統合し、1つの統一されたシステムにまとめるという複雑な作業を担当します。DAMシステムは、重複を排除し、システムやチーム間の協力を促進するための解決策となるでしょう。

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DAMとAIの連携でさらに広がる可能性

近年、AIの活用はさまざまな分野で進んでおり、ビジネスの領域においても注目されています。DAMにおいてはAI技術の導入によって、効率化や品質向上などの多くのメリットが期待されており、近い将来、以下のようなことが可能となる見込みです。

AIによる自動タグ付け

企業が持つ大量の画像には、通常1つの画像に数十〜百以上のタグが必要です。これらのタグ付け作業は非常に労力を要し、用途や画像属性を考慮した経験が求められます。

画像認識AIは、これらの課題を解決することが可能です。大量の画像に対して効率的かつ正確なタグ付けが自動的にできるため、DAMの基本機能として活用される可能性が高いでしょう。

AIによる著作権管理

著作権管理は、多くの企業が直面する課題です。貸し出したコンテンツが契約終了後に使用されていないか、借りたコンテンツが使用期間内であるか、管理が必要です。AIはこれらの管理業務を代行することができます。

具体的には、次のような機能が提供されるでしょう。

  • 各種媒体(画像や動画など)に著作権画像が含まれているか自動的にチェック
  • 使用期限が近づいた場合のアラート発信
  • 使用期限が切れた著作物が存在する場合のアラート発信

MAとの連携による最適なコンテンツ配信

さらに、MAとの連携により、最適なコンテンツの自動選択と配信が実現されます。MAは、配信先やフロー、タイミング、配信内容などのシナリオを事前に登録しておくことで、シナリオ実行を自動的に処理してくれます。このようなシステムは非常に便利ですが、シナリオの作成には一定の労力が必要です。

MAとAIを組み合わせることで、配信先の属性や過去の配信結果、コンテンツのタグなどを考慮し、自動的に最適なコンテンツを選択することができるでしょう。

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まとめ

DAMの導入は、デジタルコンテンツの効率的な管理と活用において重要な一歩です。企業や組織はDAMを活用し、デジタルアセットの価値を最大限に引き出し、競争力を高めていくことが求められています。DAMに似たソリューションとして、PIM(Product Information Management)というソリューションがありますが、こちらはDAMを含んだ上で、さらに商品のテキスト情報を含めたマスタ情報を管理するソリューションとなります。DAMの検討をする上で、デジタルコンテンツに加えて、マスタデータや商品に関連するデータを含めて管理する必要があり、PIMが適している場合もありますので、自社の課題を検討して適切なソリューションを選定しましょう。

『PlaPi』は、誰でも簡単・手軽に商品・情報管理システムを構築できるクラウド型PIMサービスです。DAMを検討されている場合にも、DAMで必要となるデジタルコンテンツ管理プラットフォームをストレスなく作れます。まずはDAMとしてデジタルコンテンツの管理から始めて、そこからマスタデータの管理も加えていくことで、PIMとしての活用にスムーズに発展させることができます。自社のデジタルコンテンツ、マスタデータ管理のデジタル化を検討しているなら、ぜひ『PlaPi』の導入を検討してみてください。

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