企業で使用する消耗品には、印刷用紙やボールペンや付箋などの文具などがあります。最近では感染症のまん延により消毒液やマスクなどの感染症対策に必要な物品も増え、消耗品の在庫管理に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業が抱える消耗品の在庫管理における課題、在庫管理のポイントや方法について詳しく解説します。ぜひ、参考にしてください。

消耗品の在庫管理における課題

企業における消耗品の在庫管理は、過不足なく在庫の管理が行えていることが理想的です。しかし、オフィス業務では特に数量だけに留まらず数多くの種類の消耗品が必要とされています。そのため、実際には課題が山積しているのも事実です。

企業が抱える消耗品の在庫管理における課題について詳しく解説します。

在庫数の把握ができていない

在庫数の管理が適切に行われておらず、過剰に在庫を抱えてしまったり、あるいは不足が生じてしまうケースがあります。また、使用期限やトレンドがある物品もあり、使用できなくなったり、使用頻度が減少したりするなど不良在庫に繋がるケースもあるでしょう。

適切な個数管理を行うことができるよう、在庫数を把握するための仕組みや決まりを作ることが重要です。

在庫の発注・承認方法が統一されていない

各部署や個人で別々に発注しているなど、発注方法が統一されていない場合、発注に関する処理に混乱が生じる可能性が高まります。また、発注を行うたびに複数の担当者からハンコをもらう形の面倒な承認方法では、必要な時に円滑に発注できない場合もあるでしょう。

発注業務を一括管理したり、購買承認方法の効率化を図るなど、在庫の発注や承認方法の統一化が必要になります。まずは、自社に合った在庫管理のルールを定めるのがよいでしょう。

在庫チェックの方法が統一されていない

発注や物品利用時の流れが整理されておらず、在庫チェックの作業に時間と労力がかかってしまう場合も多くみられます。多くの企業で行われている在庫チェックの方法は、Excelや在庫管理アプリツールを使用する場合でも、物品の種類や個数を実際に目で見て確認する方法がほとんどです。

在庫確認の度にその都度在庫のある場所に向かわなければならないため、在庫管理の流れを整理したり方法を統一することで、在庫チェックの負担を減らす工夫を行う必要があるでしょう。

保管場所が整理されていない

保管場所が整理されていない、明確に定められていないという場合、必要な物品を探し回ることで無駄足を踏んでしまうケースも少なくありません。また、部署内に在庫の保管スペースを確保することが難しく、実際の業務スペースから離れた場所まで物品を取りに行く手間が生じる場合もあります。

物品探しの手間を軽減するだけでなく、スムーズな在庫管理が可能になるよう、業務スペース内に保管場所を設けたり、保管場所を1か所に定めるなどの工夫が必要になるでしょう。

消耗品の在庫管理のポイント

消耗品の在庫管理におけるさまざまな課題について解説しました。では、これらの課題を解決に導くためにはどのようなポイントに注目して進めていくのがよいのでしょうか。

消耗品の在庫管理のポイントについて詳しく解説します。

管理担当者の配置

不特定多数の人が在庫確認に関与すると、ミスが増える原因にもなります。そのため、発注や入庫情報が常に1か所に集まるよう、報告先となる管理担当者を配置するのがよいでしょう。

管理担当者を配置することで責任の所在が明らかになり、データと実際の在庫数との差異が発生しない徹底した在庫管理が実現できます。

発注データの一元管理

複数の担当者がそれぞれ異なる帳簿等で発注データを管理していると、ばらばらになった情報をまとめるだけで多くの労力を必要とします。発注や補充の工程情報が複雑にならないよう、発注データをあらかじめ一元管理しておくのがおすすめです。

発注データをもとに、社員数や規模に適した在庫数を定めることで、在庫管理が容易になります。物品リストを作成し、物品ごとにおおよその購入サイクルを定めておけば、チェックもスムーズに行うことが可能です。

発注方法の統一

企業の消耗品管理において、システムを使わず手作業で発注管理を行っている場合には「定量発注方式」と「定期発注方式」のどちらかを採用している場合が多いでしょう。よりスムーズな消耗品管理に繋げるには、これら2ついずれかの発注方式に統一することがポイントです。

定量発注方式と定期発注方式の概要を、メリットやデメリットを踏まえて解説します。

定量発注方式

定量発注方式とは、消耗品の在庫数が前もって定めた水準を下回った場合、一定量の発注を行う方式です。在庫数量を発注の水準と定めるため、正しく設定する必要があります。

前もって発注の水準となる発注点を決めてしまうため、比較的発注の手間がかからない一方で、たくさんの種類がある消耗品の発注依頼に対応しなければならず業務負担が増えてしまう問題もあります。また、莫大な量の在庫を手作業で管理する場合の見落としなどが発生し、在庫切れが生じるデメリットも生じるでしょう。

定期発注方式

定期発注方式とは、前もって定めた期間ごとに在庫数量を確認し、定期的に発注していく方式です。担当者の業務が比較的落ち着いている期間に、消耗品をまとめて発注する日取りを設定し、発注業務のスケジューリングを行う手法となります。

毎月の消耗品の需要の増減に対して柔軟に対応が可能で、在庫切れの発生を起こすことが少ないことがメリットとして挙げられます。その一方で、毎回の発注量を決める作業や定期的な在庫確認が必要となり、担当者の負担が増大してしまうことが課題です。

カテゴリ分けとラベリング

消耗品の在庫整理を行い、必要な数を決定したり用途や使用場所ごとにカテゴリ分けを行いましょう。また、固定資産や備品管理と同様に、消耗品にも管理ラベルを貼付しラベリングを行うことで点数管理を行っていきます。

消耗品の場合は、普段保管している場所にラベルを貼り付けることで管理を行うことが可能です。保管場所の仕分け作業や管理を容易にすることだけでなく、効率のよい消耗品管理に繋がっていくでしょう。

保管場所の固定

カテゴリ分けとラベリングが完了したら、保管場所を定めていきましょう。消耗品の種類ごとに保管場所を決めておくことで、どこに向かえば欲しい物品が手に入るのかがいち早くわかるようになります。

保管場所はオフィス内や倉庫などおおまかに決めるのはもちろん、室内に保管場所を設定した場合でも整理整頓をしっかりと行うことが消耗品管理をスムーズに行うためには重要です。

在庫チェックのフローを整える

在庫チェックの作業を効率よく進めていくため、在庫確認の流れを整理していきましょう。社員が物品を使用する際、持ち出した人の氏名、物品名や数量の記載を必ず行うよう徹底し、使用した日時や人物、数量が明確になるよう管理を進めていきます。

在庫切れになった場合の対処法や、発注の流れも確認しておくことで、万が一問題が発生した場合にも早急に対応が可能となります。帳簿上の個数と実数に差異が生じる場合や、防災関連の物品については使用・賞味期限があるため、入れ替える必要性を考えると最低年に1回は棚卸を行うことも重要なポイントです。

消耗品の使用に関するルールを周知する

前述した固定した保管場所や在庫チェックの流れなど、消耗品の使用に関するルールに関して、社内周知を行いましょう。社員全員が共通の認識を持つことで、備品の紛失や在庫切れを防ぐことが可能になります。

社内会議や消耗品の使用に関するマニュアル作成、社員向けサイトに情報共有を行っていきます。社員全員が確認できる体制の整備は、乱雑化の防止にも役立つでしょう。

消耗品の在庫管理の方法

消耗品の在庫管理として有名な方法は「カンバン方式」ですが、最近はシステムを活用する会社も増えています。2つの方法について詳しく説明します。

カンバン方式

カンバン方式とは、「カンバン」と呼ばれる物品を管理するカードを使用した在庫管理方法です。トヨタ自動車が発案した管理手法で、消耗品管理の効率化に繋げることが可能になります。

カンバンには主に、物品名や1回あたりの発注数、発注先のメーカー名など発注する際に必要な情報を記載します。必要事項を記したカンバンは、物品そのものや通常保管している棚など、社員の目に留まりやすい所に貼り付けておきましょう。

物品の残数が5個以下になった場合に発注する際の例をご紹介します。この場合は、まずカンバンを残り5個目となる物品に貼り付けていきましょう。カンバンが貼り付けられた物品を使用した社員はカンバンを取り、発注ボックスに入れておきます。管理担当者は、発注ボックスに入れられたカンバンを確認し、物品発注を行う流れです。

カンバン方式を利用した物品管理を行うことで、発注のタイミングや発注の個数が誰でもわかるようになります。発注漏れや購入過多を防止し、欠品や必要以上に在庫を抱えることもなくなるでしょう。予算をできるだけ使わずに手作業で消耗品管理を行いたいと考えている企業におすすめの手法です。

システムの活用

DX化が進められている昨今の社会情勢の中で、手作業や目視での確認で進められる物品管理は現実的ではなく、面倒に感じる企業も少なくないかもしれません。消耗品管理を自動化するシステムを導入することで、企業が抱えるさまざまな消耗品管理の課題解決が期待できるでしょう。

在庫管理システムを導入すると、スマートフォンやハンディスキャナーを使用した棚卸作業や、日々の在庫管理、発注状況の自動共有などが可能です。実際に、在庫管理システムを導入した企業では、棚卸の人員と時間を以前の半分に減らしたという成功事例もあり、業種を問わずあらゆる企業におすすめできる方法であるといえます。

消耗品の在庫管理システムはさまざまな機能や種類のものがあり、いざ導入したいと考えていてもどれにしたらよいのかわからない場合が多いでしょう。PlaPiでは、自社に合ったシステムのスムーズな構築が可能です。PlaPiに関して、以下の関連サイトで詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

【PlaPi関連サイト】
https://jsol.plapi-product.com/

まとめ

消耗品管理は、企業のメイン業務に比べ対策がおろそかになりがちな業務であるといえます。しかし、日々の業務に欠かせない消耗品の管理を簡単かつスムーズに行うことができるようになれば、より業務に注力することが可能になるでしょう。企業の消耗品管理に、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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