ファイル共有にはさまざまな方法がありますが、社内でのやり取りに共有サーバーを活用する企業も多いのではないでしょうか。本記事では、サーバー導入のメリットやデメリットから、おすすめのクラウド型ファイル共有サービスをご紹介します。
ファイル共有サーバーとは
テキストや画像などのさまざまなデータやファイルを、社内ネットワークを使って共有できるサーバーのことを「ファイル共有サーバー」と言います。社内ネットワークに接続しているPCからは、ファイル共有サーバー上のデータにかんたんにアクセスすることができ、社内でデータのやり取りをする際に役立ちます
もし社員それぞれがローカル上だけでファイルを保存しているとして、他の社員がそのファイルにアクセスするには元ファイルの所有者から共有を受けない限り困難です。しかし、ファイル共有サーバーでデータを管理すれば、社内の誰でもそのファイルへアクセスできるようになります。
一方で、ファイル共有サーバーを使わずに保管・共有をする方法も従来から使われていますが、特有のリスクがあります。ファイル共有サーバーを使った場合と比較して紹介します。
1.様々なファイル保管・共有方法について
従来から行われていた、PCのローカルフォルダ内やUSBメモリ・HDDなどの記憶媒体でファイルを保管方法する方法には、「個人PCの容量が不足して必要なデータのバックアップを保管できない」「USBメモリやHDDは盗難・紛失のリスクが避けられない」などの問題があります。
これらに保存されているファイルをメールに添付したり、USBメモリやHDDにファイルをコピーして手渡しで共有する方法に関しても、人為的なミスによるデータの喪失・情報漏えいのリスクが避けられません。
2.便利なファイル共有サーバー
「ファイル共有サーバー」とは、主に社内ネットワーク内でファイルを管理・運用するためのサーバーのことです。サーバー室内に専用の機器を設置した上で、有線LANで接続します。社内ネットワークに接続したPCからのみ、サーバー内のファイルにアクセスできます。
ファイル共有サーバーの導入によって、従来型のファイル保管・共有方法で頻出していたデータの消失や容量不足、人為的なミスや情報漏えいなどのトラブルを未然に防ぎ、効率よくデータ共有することができます。
ファイル共有サーバーの活用方法3選
では、ファイル共有サーバーは実際にどのように使われているのでしょうか。以下でその活用方法をご紹介します。
1.データのバックアップ先として活用
日々の業務上で生じたさまざまなデータのバックアップ先とするのが、ファイル共有サーバーの最も一般的な活用法です。
個人のPCやUSBメモリでデータを保管すると、機器の故障や管理ミスによって、データの消失や容量不足が発生するリスクがどうしても避けられません。ファイル共有サーバーをバックアップ先として活用することで、これらを防ぐことができます。
2.ファイル共有でチームワークをスムーズに
ファイル共有サーバーによって常に最新のファイルを共有できる状態を保つと、チームで行う共同作業が捗ります。大勢の人が関わるプロジェクトでも、進捗管理のために進行表などのファイルを共有することで、効率よくスケジュール管理できます。
3.データを一元管理して業務を効率的に
ファイル共有サーバーの活用によって、見込み顧客のデータや業務ノウハウなど、社内に存在するさまざまなデータを一元管理することができます。そのデータを必要とする社員が即座にアクセスできるなど、属人化していた業務も効率よく進められるようになります。
「NAS(Network Attached Storage)とファイル共有サーバーは何が違うのか?
社内でファイルを共有するためのツールとしては「NAS(Network Attached Storage)」も挙げられます。その特徴を以下で解説します。
1.「NAS(Network Attached Storage)」とは
ファイル共有サーバーの一種である「NAS(Network Attached Storage)」は、社内ネットワークに接続できるHDDのことです。社内PCからNASにファイルを保存したり、保存したファイルを閲覧・ダウンロードすることができます。ファイルの保管・共有に特化した、比較的シンプルな運用に向いています。
2.ファイル共有サーバーとNASの違い
基本的には同じですが、機能や容量の拡張性などで、ファイル共有サーバーに分があります。一方で「NAS(Network Attached Storage)」は比較的安価に導入できるのが魅力です。
NASは物理的なHDDを使って運用していくので、停電などで機器が故障してしまった場合、障害対応が必要となります。さらに、保管していたデータが消失するリスクもあります。
これはファイル共有サーバーにも考えられるリスクではありますが、NASの方がよりハイリスクと言えます。特に、地震や水害などの災害で運用上のトラブルが起きるリスクは常に念頭に置いておくべきです。
3.ファイル共有サーバーかNASか
自社がどのようにファイル共有を行っていくかによって、どちらを選ぶか決めましょう。ファイル共有をする人数が少なく、コストを抑えたい場合は「NAS(Network Attached Storage)です。しかし、NASは同時接続数が増えると、回線速度が遅くなると言うデメリットも。
一度にファイル共有をする人数が多く、ある程度セキュリティ面にも考慮したい場合は、ファイル共有サーバーを選ぶのがおすすめです。実際、ファイル共有サーバーではファイルのアクセス権限設定やアクセスログの管理が容易にできます。しかしNASではそれは難しく、セキュリティ面に不安が残ります。
日々の運用や管理にかかる工数も、NASよりファイル共有サーバーの方が少なく済みます。特にオンライン上でファイル共有サーバーを運用する際に顕著です。
ファイル共有サーバー導入で得られるメリット
ファイル共有サーバー導入によって得られる、具体的メリットを解説していきます。
1.業務の効率化
ファイル共有サーバーの導入によって、問い合わせ対応にかかる社内の人的リソースやさまざまなコストの削減、ノウハウの集約による情報の活性化などが叶い、あらゆる業務の効率がアップします。
2.情報セキュリティの担保
企業に集まるさまざまな機密情報を個人レベルで管理するのは、情報漏えいリスクの観点から大きな不安が残ります。ファイル共有サーバーで一元管理することで、情報セキュリティを強化しましょう。さらに、アクセス権限の設定やデータの暗号化・二段階認証など、セキュリティを担保する機能の追加ができることも大きなメリットです。
3.容量不足の解消
バックアップデータを共有サーバーに移行することで、個人が管理するPCの容量を食わずにデータを保存でき、動作の軽快さを保てます。結果として日々の業務における作業効率もアップすることでしょう。
ファイル共有サーバー利用のデメリット
ファイル共有サーバーの利用によって、想定されるデメリットを解説します。
1.導入・管理・運用で生じる手間とコスト
ファイルサーバーやNASを運営する場合、ネットワークの設定や保守など、導入・運用するために専任の技術者が必要です。さらに、ログや不正アクセスの監視、不要ファイルや重複ファイルのチェックなど、日々のメンテナンスだけでも多大なリソースが必要となります。また、機器の購入やオフィスの光熱費、人件費の増加という面でも、多大なコストが生じます。
2.社外からのアクセスに対応しづらい
ファイル共有サーバーは社内LANでのファイル共有を想定したシステムなので、原則として社外からのアクセスには対応しづらい仕組みです。
昨今、スマホやタブレットの普及やリモートワークが推進されています。外部から社内のファイルにアクセスする機会が多くなった中で、リアルな現場のニーズに対応できてない面は否めません。
3.物理的なリスクへの対処法を考える必要がある
ファイルサーバーやNASを自社でオンプレミス運用する場合、物理的に機器に破損が生じてしまうと、障害対応が必要になります。特に地震大国である日本においては、運用上で災害が起きるリスクをゼロにすることは不可能です。どう対処するかは予め考えておかねばなりません。
ファイル共有サーバーはクラウド化がおすすめ
ここまで説明してきたように、ファイル共有サーバーの導入においては、多大なリソースとコストが発生します。しかし、ファイル共有サーバーをオンライン上でクラウド化した「クラウド型ファイル共有サービス」なら、さまざまなリスクを回避してメリットのみを享受することができます。
1.ファイル共有サーバーのクラウド化によるデメリットの解消
クラウド型ファイル共有サービスは、オンライン上のストレージにアクセスするだけで、手軽に最新データを確認・共有できます。データの一元管理が可能となるので、不要ファイルや重複ファイルのチェックにも手間がかかりません。
ネットワークの構築・日々の保守点検など、煩雑な管理業務をアウトソーシングして省力化できるのもメリットです。また、クラウド型ファイル共有サービスを運営する各社は、自前で災害時のバックアップ体制を用意しているので、運用上で起きる災害リスクに関しても備えがあり安心です。
2.ファイル共有サーバーのクラウド化によるメリット
上記したデメリットとも関連しますが、管理・保守リソースの外注による業務効率化、社外アクセスへの対応、災害など物理的なリスクにも備えられるなど、さまざまなメリットがあります。
クラウド型のファイル共有サーバーの選び方
では、自社に合ったクラウド型のファイル共有サーバーを選ぶポイントはなんでしょうか。
1.機能
クラウド型ファイル共有サーバーにはさまざまな機能が搭載されていますが、社外とのファイル共有や、社内でも役職や立場・部署や部門などで細かくアクセスを制限したい場合、アクセス権限を設定できる機能は必須です。自社のニーズと照らし合わせて確認しましょう。
2.コスト
導入にかかるイニシャルコストはもちろんですが、日々生じるランニングコストも、ファイル共有サービスを選ぶ上で考慮すべきポイントです。月額制のサブスクリプション型が一般的ですが、ユーザー数やデータ容量、機能の追加によって必要となるコストは変動します。その月に使うユーザー数やデータ容量に合わせて月額を変えられるケースも多いので、使いながらシミュレーションしていきましょう。
3.セキュリティ対策
ここまで繰り返し説明してきましたが、セキュリティ面への対策がしっかりと取られているサービスを選びましょう。部署や部門ごとのアクセス権限設定や、アクセスログの閲覧、データの暗号化・二段階認証の設定など、自社にはどの程度のセキュリティレベルが必要なのかを明確にしておくことが大事です。
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