近年、社会貢献への意識が高まり、多くの方が募金や寄付に関心をもつようになっています。しかし、どの団体に寄付すべきか、どのように選べばよいのか迷う方も少なくありません。

本記事では、国内外の寄付団体を紹介するとともに、NPO法人への寄付がもたらす税制上のメリットや、適切な寄付先の選び方について解説します。

法人が認定・特例認定NPO法人に寄付した場合のメリット

認定・特例認定NPO法人への寄付には、通常のNPO法人への寄付とは異なる特別な税制優遇措置が設けられています。具体的には、一般のNPO法人への寄付とは別枠で、より大きな損金算入限度額が設定されているのです。

この特別損金算入限度額は、一般のNPO法人への寄付の約2倍となっており、法人にとってより多くの寄付金を経費として認められる可能性が高くなります。さらに、特別損金算入限度額を超えた寄付金額についても、一般の寄付金の損金算入限度額の範囲内で損金算入できる仕組みになっているのです。

つまり、特別枠と一般枠を組み合わせることで、より多くの寄付金額を経費として計上できる可能性があります。そのため、法人は税制面でのメリットを得ながら、同時に社会貢献活動を行う団体を効果的に支援することができるでしょう。

しかし、このようなメリットがある一方で、支援したい分野や地域に適した団体を見つけるのは難しい場合があります。このため、寄付の選択肢が限られる可能性があるでしょう。(※1)

個人が認定・特例認定NPO法人に寄付した場合のメリット

認定・特例認定NPO法人への寄付は、個人にとっても魅力的な税制優遇措置を受けられる機会です。寄付者は所得税の計算において、所得控除または税額控除のいずれかを選択して確定申告を行うと、所得税の控除を受けられるメリットがあります。

所得控除では寄付金額の大部分を所得から差し引くことができ、税額控除では寄付金額の一定割合を直接税額から控除できます。さらに、条例で指定された寄付金の場合、個人住民税でも控除を受けられるのです。都道府県や市区町村により控除率が変わりますが、寄付金額の一部を税額から控除できる仕組みになっています。

これらの優遇措置により、寄付者は社会貢献活動をしながら、同時に自身の税負担を軽減することが可能です。ただし、控除には上限があるため、効果的に活用するには事前によく確認しておきましょう。(※2)

海外向け寄付団体5選

寄付を検討していてもどの団体に寄付すればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは海外向けの寄付団体を5つご紹介します。

公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に

公益財団法人日本ユニセフ協会(※3)は、約190の国と地域で子どもたちの命と健やかな成長を支える幅広い活動を展開しています。国連機関としての特性を活かし、大規模で質の高い支援を提供しており、2022年には24億回に及ぶワクチン供給を行い、子どもたちの健康増進に大きく貢献しました。マンスリーサポートの内容が具体的で、支援成果の報告も充実しています。

認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(※4)は、「子どもや若者は助けられるだけの存在ではなく、自身が変化を起こす担い手である」という理念のもと、国内外の貧困や差別から子どもを解放し、子ども自身の可能性を引き出す活動をしている団体です。 具体的には、開発途上国への教育、水、保健、収入向上といった自立支援や、国内の貧困家庭への支援、災害時の緊急復興支援を行っています。 また、社会問題を「自分ゴト」として捉え、行動を起こす力を育むための教育プログラムなども実施しています。

認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン:子どもと繋がりを感じられる

認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(※5)は、キリスト教精神に基づく国際NGOです。世界約100カ国で、開発援助や緊急人道支援、アドボカシーなどの活動を行っています。中でも、「チャイルド・スポンサーシップ」というプログラムを通じて、子どもたちの生活環境の改善や教育機会の提供に力を入れています。

認定NPO法人 難民を助ける会(AAR):世界16カ国で難民を支援

認定NPO法人難民を助ける会(※6)は、紛争や災害の影響を受けた人々を支援する国際NGOです。難民支援、地雷・不発弾対策、障がい者支援、災害支援、感染症対策、提言活動の6つの活動分野に注力しています。1979年に設立して以来、支援の対象地域と分野を拡大し、これまでに65以上の国・地域で支援活動を展開してきました。現在では、世界16カ国において活動しています。

認定NPO法人日本国際ボランティアセンター:40年以上の活動実績

認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(※7)は、1980年に設立された国際協力NGOです。世界各地の人々の生活を脅かす問題に取り組んでおり、単に援助を与えるのではなく、共に解決策を見出す姿勢が特徴です。アジア、アフリカ、中東、日本など23の国と地域で活動し、地域住民の声を大切にしながら、社会変革を目指しています。

国内向け寄付団体4選

次に、国内向けの寄付団体を4つご紹介します。

NPO法人 森づくりフォーラム

NPO法人森づくりフォーラム(※8)は、全国の森林ボランティア団体をつなぐネットワークとして、人材不足の解消、情報発信、都市住民への啓蒙活動などを通して、森と共生する社会の実現を目指している団体です。近年では、木育、山村移住、企業の社会貢献など、森との関わり方は多様化しており、森づくりフォーラムは、さまざまな人々をつなぐ交差点として、森の未来を守るために活動しています。

公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(※9)は、学校外で利用できる「スタディクーポン」を通じて、子どもたちが自由に学びの場を選択できる環境づくりに取り組んでいる団体です。子どもたちの自由な意志決定を支えるため、「ブラザー・シスター」と呼ばれる大学生ボランティアによる定期的な面談や、「コーディネーター」によるサポート体制を構築しています。チャンス・フォー・チルドレンは、これらの活動を通して、すべての子どもたちが平等に教育を受けられる社会を目指しています。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311

認定特定非営利活動法人 桜ライン311(※10)は、2011年3月11日の東日本大震災で発生した津波の到達点を桜の木でつなぎ、後世に伝えることを目的とした活動を行っている団体です。震災前の防潮堤や津波情報の不足が多くの犠牲を招いたとの反省から、津波の記憶を風化させないため桜を植樹しています。また桜の植樹事業だけでなく、学校植樹会や講演活動などの普及啓発事業も行っています。

一般社団法人 ピースボート災害支援センター

一般社団法人ピースボート災害支援センター(※11)は、1983年から続く国際NGOピースボートをもとに設立された団体です。 PBVは、国内外で災害支援活動や防災教育などを行っています。 世界で増加傾向にある自然災害に対して、被災地へのボランティア派遣や物資支援、防災トレーニングなどを通して、災害に強い社会作りを目指しています。

寄付先のNPO団体の選び方

NPO団体への寄付は、社会貢献への重要な一歩です。しかし、多くの方が寄付先の選択に迷いを感じているのではないでしょうか。ここでは、信頼できるNPO団体を選ぶための3つのポイントをご紹介します。

信頼性を確認する

まず、団体の信頼性を確認しましょう。法人格を持ち、3年以上の運営実績がある団体は安定性があります。また、活動規模が1,000万円を超え、100人以上の個人寄付者がいる団体は、一定の支持を得ているといえます。さらに、ホームページやSNSで積極的に情報を公開し、支援者とのコミュニケーションを大切にしている団体は透明性が高いでしょう。

自分の価値観に合う団体を探す

次に、団体の活動内容やビジョンが自分の価値観と合致するかを確認します。自分が重要だと考える社会問題に取り組んでいる団体を探しましょう。具体的な実績や成果を上げている団体は、効果的に活動を行っている証拠です。

寄付金の使途を確認する

最後に、寄付金の使い道が明確な団体を選びましょう。活動内容や寄付金の使途を具体的に説明し、財務情報を公開している団体は透明性が高く、安心して寄付できます。

これらのポイントを参考にしながら、最終的には自分の想いや共感に基づいて寄付先を選ぶことが重要です。寄付は誰かに想いを託す行為であり、その行為自体に意義があります。

まとめ

募金や寄付は、社会問題の解決に貢献する重要な手段です。本記事では、海外向け団体や国内向け団体を紹介しました。また、寄付先を選ぶ際は、団体の信頼性、自身の価値観との一致、寄付金の使途の明確さを確認することが大切です。

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