地震や台風、洪水など、災害はいつどこで起きるかわからないため、日頃からの備えが非常に重要です。災害時に迅速かつ冷静に対応するためには、事前に適切な防災対策を講じておくことが欠かせません。

本記事では、自宅避難用と持ち出し用の防災グッズについて、特に買っておくべきアイテムをまとめてご紹介します。また、防災グッズの購入場所や保管場所、さらに効率的な備蓄方法である「ローリングストック」についても詳しく解説します。

必要なアイテムを事前に揃えておくことで、いざという時に家族の安全を確保し、冷静に対応できるようにしておきましょう。

【自宅避難用】防災グッズとして買っておくべきアイテム

自宅避難をする際には、水道・電気・ガスが使えない状況を想定して、必要な物資を備えておくことが重要です。インフラの復旧や救援体制の整備には約3日かかるとされています。そのため、救助が来るまでの数日間を過ごせるような備蓄品を用意しておきましょう。

ここでは、特に準備しておくべき9つの防災グッズをご紹介します。

飲料水

1人あたり1日3リットルを目安に、3日分の飲料水を準備しましょう。保存期間が過ぎたら新しいものに交換するなど、定期的に見直すことも重要です。

食料品

あたためて食べられるごはん、ビスケット、板チョコなど、1人3日分程度の食料品を準備しておきましょう。水道や電気、ガスの停止を考慮し、調理不要で長期保存できるパンや、レトルト食品などを中心に準備します。

また、缶詰や乾燥食品も非常時に便利です。これらの食品は普段の食事に取り入れ、消費した分を新しいものに入れ替えることで常に新鮮な状態を保つとよいでしょう。

災害用調理器具

災害時にはライフラインが利用できないことが多いため、カセットコンロ、紙皿、割り箸など、非常時に使いやすい調理器具や食器を用意しておきましょう。

救急用品・衛生用品・生理用品

けがや体調不良に備えて、救急用品も準備しておくことをおすすめします。また、トイレットペーパーやマスク、歯磨きシートなどの衛生用品も備えておくと安心です。女性は数日分の生理用品も用意しておきましょう。さらに、抗菌シートやアルコール消毒液もあると役立ちます。

簡易トイレ

災害時にはトイレが使えないことも多いため、簡易トイレをいくつか用意しておくことが重要です。除菌効果や消臭効果が高い凝固剤や、汚物を入れる袋も一緒に準備しておくとよいでしょう。

非常用バッテリー

現代ではスマートフォンが必需品となっており、電力の確保は非常に重要です。モバイルバッテリーに加えて、小型家電も使用できる大容量バッテリーがあるとさらに安心です。

懐中電灯などの照明器具

ライフラインが停止した場合に備えて、懐中電灯やライトも準備しておきましょう。床や机に置けて、調光が簡単なランタンを用意しておくと便利です。これらの照明器具は電池で動くため、予備の電池も忘れずに準備しておきましょう。LEDライトは省エネで長寿命のため、特におすすめです。

ガムテープ・軍手

ガムテープは、壊れたものの固定や、けがの応急処置に役立ちます。紙製よりも強度のある布製がおすすめです。軍手は、倒壊した家からの脱出や防寒対策などに使えるので、家族の人数分を準備しておくとよいでしょう。

携帯ラジオなどの情報収集ツール

災害時には、インターネットなどの情報源にアクセスしづらくなるため、携帯ラジオなどを用意しておきましょう。

携帯ラジオはAM放送とFM放送の両方を受信できるもの、また手回しで充電できるものがおすすめです。最近では、ソーラーパネルがついた多機能型のラジオもあり、非常時に役立ちます。

【非常用持ち出し品】防災グッズとして買っておくべきアイテム

自宅から避難所へ移動する際には、防災グッズを持ち運ばなければなりません。あまり重すぎると持ち運びが困難になるため、非常用持ち出し品はできる限り最小限におさえる必要があります。

ここでは、自宅避難用アイテムと合わせて、非常用持ち出し品として役立つ8つのアイテムをご紹介します。

医薬品

避難先で体調不良になることは珍しくありません。そのうえ、避難先ではすぐに薬を調達するのは難しいため、鎮痛剤や整腸剤など、急な体調変化に対応できる医薬品をあらかじめ準備しておきましょう。

現金などの貴重品

非常時には電子決済が使えないことがあるため、現金を含む貴重品は必ず用意しておきましょう。身分証明書のコピーや印鑑も一緒に保管しておくと安心です。

季節用品

季節に応じて防寒具や日焼け止めなどを準備しておくと便利です。冬には暖かい服やカイロ、夏には帽子や冷感タオルが役立ちます。

小物類

耳栓は避難所での騒音対策に便利です。ビニール袋、筆記用具などの小物類も準備しておくとよいでしょう。

毛布・寝袋

避難所では、基本的な寝具は準備されていることが多いですが、車や屋外に避難する場合に備えて、毛布や寝袋も用意しておきましょう。コンパクトに収納できるものがおすすめです。

タオル

タオルは多目的に使えるので必需品です。体拭き、けがの手当てなど、さまざまな場面で役立ちます。

衣類

着替え用の衣類も準備しましょう。下着や靴下、天候に応じた服装も考慮し、防水袋に入れておくと安心です。

医療関係備品(健康保険証、お薬手帳)

健康保険証やお薬手帳も忘れずに持ち出しましょう。常に防災袋に入れておくことが難しい場合は、小さめの袋にまとめておくとよいでしょう。

防災グッズはどこで買うといい?

ホームセンターでは、さまざまな防災グッズを取り揃えています。実際に商品を手に取って確認できるため安心して購入できます。特に、全国展開しているホームセンターでは、簡易トイレなども豊富に取り扱っていることが多いです。

価格を抑えたい場合は100円ショップもおすすめです。懐中電灯や軍手などの一般的な防災グッズは、100円ショップでも揃えることができます。

また、オンラインショップでの購入も便利です。大手ECサイトでは、多くの防災グッズが販売されており、購入前に他のユーザーの評価を確認できます。特に防災セットを探す場合、オンラインでの購入が効率的でしょう。

基本的な防災グッズはドラッグストアやスーパーでも購入できます。飲料水や非常食などが揃っているため、日常の買い物ついでに購入可能です。

ご自身のライフスタイルに合った購入場所を活用し、必要な防災グッズを揃えましょう。

防災グッズはどこに保管するのがいい?

防災グッズをどこに保管するかは、緊急時に素早く取り出せるかどうかがポイントです。

まず、非常用持ち出し品を入れた防災リュックは玄関に保管するのがおすすめです。玄関に防災リュックを保管しておけば、避難時、すぐに持ち出せます。

一方で、日常的に使う缶詰やレトルト食品、飲料水などの備蓄品はキッチンに置いておくと便利です。リビングに保管しておく場合は、収納棚やボックスに整理整頓しておくとよいでしょう。

夜間に地震や火災が発生した場合に備えて、寝室にも防災グッズの一部を保管しておくと安心です。すぐに避難できるよう、懐中電灯やスリッパなどは枕元に置いておきましょう。

さらに、車のトランクにも防災グッズを備えておくのがおすすめです。車中泊が必要な場合や、車を使って避難する場合に備えて、毛布や飲料水、非常食などを保管しておくと役立ちます。

また、家族全員が防災グッズの保管場所を把握しておくことも重要です。家族で話し合い、保管場所を共有しておけば、災害時、スムーズに避難できるでしょう。

防災グッズを備蓄するための方法「ローリングストック」とは?

「ローリングストック」は、日常的に使う食品や日用品を少し多めに購入し、消費しながら備蓄を維持する方法です。この方法は、防災用品の賞味期限切れや劣化を防ぎつつ、常に新しい状態で備蓄を続けられるため、効率的かつ経済的です。

まず、ローリングストックを始めるには、日常的に使用する食品や消耗品をリストアップしましょう。例えば、缶詰や乾燥食品、レトルト食品、水、乾電池などが挙げられます。これらのアイテムを普段より多めに購入し、家庭内で循環させるようにしましょう。

具体的には、購入した新しい食品や日用品を備蓄用に回し、古いものから消費していきます。消費した分だけ新たに補充すると、常に一定量の備蓄を保てます。例えば、缶詰を使った料理を定期的に作ることで、缶詰の賞味期限を管理しつつ、備蓄の維持も可能です。

ローリングストックのメリットは、緊急時だけでなく、日常生活にも役立つ点です。

災害時に備えるだけでなく、突然の買い物不足や停電などの日常のトラブルにも対応できます。さらに、普段から使用するアイテムを備蓄するため、無駄な出費を抑えることも可能です。

ローリングストックを取り入れることで、災害時に必要な物資を常に新しい状態で確保し、家族全員が安心して生活できる環境を整えましょう。

▼関連記事
ローリングストックとは?実践方法やポイント・おすすめの食品について解説

まとめ

防災グッズの準備は、大切な人の安全を守るために欠かせません。自宅避難用と持ち出し用、それぞれの状況に応じたアイテムを適切に揃えておくことで、災害時に迅速かつ適切に対応できます。今回ご紹介したアイテムを参考に、必要な防災グッズを準備し、定期的に見直すことを心がけましょう。

防災への備えは、家庭だけでなく企業でも同様に重要です。「Musute」は、防災備蓄品の次世代運用を実現するサービスです。企業が持つ防災備蓄品の管理・運用をDX化し、廃棄・入れ替えの問題を解決します。廃棄予定の備蓄品を必要な人々に届ける循環型の仕組みを提供し、無駄をなくすことを目指しています。「Musute」を活用して、企業の備蓄品を効率的に管理し、社会全体で有効活用しませんか。